【建設会社のサイバー対策】そのバックアップ、戻せますか? 建設会社の仕事を支える小さな備え

こんにちは。あゆみサポートの大槻です。

「バックアップは取っています」

では、そのデータを、実際に戻すテストはしたことがありますか。

図面や見積書、月末の請求データ。
パソコンの中には、毎日の仕事を支える大切な情報がたくさんあります。

今日は、建設会社の皆さまに、事務所で一つ確認していただきたい「データの備え」のお話です。

※漫画は架空の人物による想定例です。IPAの資料を参考に、あゆみサポートが内容を構成しています。

データにも避難訓練を

漫画のように、バックアップは取っていても、戻せるかどうかまでは確認していない、ということがあるかもしれません。

建設会社では、現場の作業が進んでいても、図面の確認や見積・請求の事務が滞ると、仕事の段取りに影響が出ることがあります。これは、自社で起きた場合を考えるための想定例です。

「必要なデータを、
必要なときに使えるか」

データについても、避難訓練のように一度確かめておくと、準備すべきことが見えてきます。

最近の公表資料からも考えておきたいこと

2026年10月7日には、戸田建設が、不正アクセスにより取引先・従業員に関する情報の一部が漏えいしたと公表しています。[1]

この事例をランサムウェア被害と断定したり、請求業務が停止したと述べたりするものではありません。今回の漫画も、実際の事案を再現したものではなく、架空の会社で備えを考える場面です。

また、IPAが9月に公開した経営者向けの教訓集では、専門部署の対応に加え、経営者の関与や事業継続の準備の重要性が示されています。[2]

こうした情報をきっかけに、自社で大切にしているデータと、その備えを見直してみてはいかがでしょうか。

IT保守会社に三つ聞いてみませんか

1 どのデータをいつの時点まで戻せますか

図面、見積書、請求データなど、業務で使うものがバックアップの対象に入っているかを確認しましょう。最終保存の時点も分かると、万一のときに、どこから作業をやり直す必要があるか考えられます。

2 元のデータと一緒に被害を受けにくい保管方法ですか

普段使うデータとバックアップが同時に使えなくならないよう、保管の仕組みを確認します。外付け機器やクラウドを利用している場合も、接続方法や設定、戻す手順まで、 IT保守会社に確かめてみてください。

3 業務に影響しない方法で戻すテストはできますか

IPAのガイドラインでも、バックアップを取ることに加え、安全に保管し、実際にデータを戻せるか定期的に確認することが示されています。[3]

復元の確認は、普段使っているデータを誤って上書きしないよう、IT保守会社などの専門家に相談して進めましょう。

最初に戻したい仕事を社内でも話しておく

専門的な設定はIT保守会社に相談しながら進めるとして、「どの仕事を先に再開したいか」は、会社の皆さんで考えておきたいところです。

明日の工事に必要な図面なのか、締切の迫った見積なのか、月末の請求データなのか。自社の仕事に置き換えると、優先順位を話しやすくなります。

あわせて、異常に気づいた社員が誰に知らせるかも決めておきましょう。連絡先は、パソコンが使えなくても確認できるよう、紙でも残しておくと役立ちます。

今日は一つ確認するところから

「請求データを戻すテストは
できますか」

まずは、この一言をIT保守会社に聞くところからで十分です。確認できていないことがあれば、次に取り組むことを一つ決めてみてください。

現場で働く人も、事務所で仕事を支える人も、安心して日々の仕事に向き合えるように。

あゆみサポートは、地域の建設会社の皆さまの歩みに寄り添いながら、経営に役立つ身近な備えをお伝えしていきます。

※2026年10月29日時点の公表資料に基づく一般的な情報です。個別の設定・復元方法・事故対応は、利用環境に応じて専門家にご確認ください。

参考資料

1. 戸田建設「個人情報漏洩に関するお知らせとお詫び」(2026年10月7日)
https://www.toda.co.jp/news/2026/20261007_006350.html

2. IPA「ランサムウェア被害から学ぶ教訓集 経営者のためのランサムウェア対策ハンドブック」(2026年9月公開、10月16日更新)
https://www.ipa.go.jp/security/todokede/crack-virus/ransomware_lessons_learned.html

3. IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン 第4.0版」
https://www.ipa.go.jp/security/guide/sme/about.html