社長、役員、一人親方は労災保険の対象外?
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2025年1月29日
社長は労災保険の対象外?
建設業を営む経営者の皆様へ
日々、現場作業に奔走されている社長様、役員の皆様、そして一人親方の方々。万が一の事故に対する備えは十分でしょうか?
実は「社長、役員、一人親方は労災保険の対象外である」という事実は、意外と知られていません。通常の政府労災では補償を受けることができず、特別加入をしなければ労災保険の適用外となってしまいます。
なぜ特別加入が必要なのか?
政府労災は従業員を対象とした制度であり、会社の経営者や役員は適用範囲外です。しかし、社長であっても現場で作業をしていれば、従業員と同じようにケガや事故のリスクがあります。
例えば、
- 現場で転倒して骨折した
- 高所作業中に落下して重傷を負った
- 工具の誤操作で手を切った
従業員であれば政府労災の対象となりますが、社長や一人親方は補償を受けられません。治療費は自己負担となり、休業中の収入もゼロになる可能性があります。
そこで必要なのが 「労災の特別加入」 です。特別加入をすることで、社長や役員、一人親方であっても政府労災の補償を受けることができます。
特別加入だけでは足りない?
特別加入によって労災の対象にはなりますが、それだけでは十分とは言えません。特に、以下の3つの問題点に注意が必要です。
1. 最低限の補償しか受けられない
政府労災には基本的な補償はあるものの、慰謝料などの民事賠償の対象にはなりません。場合によっては、会社が追加の賠償責任を負うこともあります。
2. 認定に時間がかかる
労災認定には一定の審査が必要となり、特に後遺障害が残る事故では手続きが長引くことがあります。その間、補償が受けられず生活に支障が出るケースも考えられます。
3. 特別加入者全員が対象になるとは限らない
現場では日によって作業員が異なりますが、特別加入の仕組み上、事前に名簿登録されていないと補償の対象にならない場合があります。
こうした課題を解決するために、多くの建設業経営者が 「上乗せ労災保険」 に加入しています。
上乗せ労災で補償を充実させる
上乗せ労災保険とは、政府労災の補償に加え、さらに手厚い補償を提供する民間の保険です。
具体的には、
- 自己負担の治療費をカバー
- 休業補償を充実させる
- 弁護士対応を含めた賠償リスク対策
例えば、「小指を骨折し、通院は3~4日で済んだが、1か月間は現場に出られない」といったケースでは、政府労災の休業補償だけでは不十分なこともあります。上乗せ労災に加入していれば、より手厚い補償を受けることができ、安心して療養に専念できます。
まとめ
「うちの会社は労災に加入しているから安心」と考えている社長様も多いですが、補償範囲を確認すると「自分は対象外だった」と気づくことも少なくありません。
✅ 社長、役員、一人親方は政府労災の対象外 ✅ 特別加入をしないと補償を受けられない ✅ 特別加入だけでは不十分なケースもある ✅ 上乗せ労災を活用することで、より安心な補償を確保できる
建設業における労災リスクは避けられません。しかし、適切な備えをしておくことで、万が一の事故が起きてもスムーズに対応でき、会社の経営基盤を守ることができます。
ご自身の補償内容に不安がある方は、一度ご相談ください。皆様の安心と安全を守るお手伝いをさせていただきます。