そのケガ、業務中?業務外? 経営者が知るべき「就業中の範囲」

そのケガ、業務中?業務外? 経営者が知るべき「就業中の範囲」

こんにちは!あゆみサポートです。

最近、オフィスだけでなく、ご自宅やカフェ、移動中など、働く場所やスタイルが本当に多様化しましたね。経営者の皆様も、日々変化に対応しながら、事業を運営されていることと存じます。

そんな中で、私たちあゆみサポートにも、経営者の皆様から、従業員の方(もちろん、経営者様ご自身や役員の皆様も含まれます)の「仕事中のケガ」に関する保険、特に業務災害の保険の補償範囲について、ご質問をいただく機会が増えました。

  • 「夜の会食も仕事の一環だけど、もしケガしたら対象になるのだろうか?」
  • 「在宅勤務だと、どこからどこまでが仕事中なのか、線引きが難しい…」

こうした疑問やご心配、本当によく分かります。万が一の時に、大切な従業員の方々、そして会社自身をしっかりと守るために、保険でどこまでカバーされるのかを正しく理解しておくことは、経営者の皆様にとって、とても大切なことですよね。

そこで今回は、業務災害(傷害)保険でいう「就業中」とは具体的にどんな時を指すのか、判断に迷いやすいケース、そして今の時代の働き方に合った安心できる備え方について、皆さんと一緒に、改めて分かりやすく確認していきたいと思います。


業務災害を補償するための保険でいう「就業中」って、基本的にはどんな時?

まず、基本の考え方として、業務災害(傷害)保険で「就業中」とされるのは、

「会社の指示や管理のもとで、お仕事をしている時間」

のことです。 もう少し具体的に言うと、「会社のルールに沿って、任されたお仕事や、それに伴う必要な活動をしている状態」と考えていただくと、イメージしやすいかと思います。

例えば、こんな時間は「就業中」とされることが多いです

  • 会社のオフィスや工場、店舗などで、通常のお仕事をしている時
  • お客様の会社などを訪問して、打ち合わせや作業をしている時
  • 会社の指示で出張している時(目的地までの移動や、現地での宿泊なども含みます)
  • 上司などの指示で、業務に必要なものを買いに行ったり、届けたりしている時 など

「こんな時はどうなの?」判断に迷いやすいケースについて

ここが、皆さんが特に気になるところかもしれませんね。働き方が多様になっているからこそ、「これって仕事中になるのかな?」と迷ってしまう場面も出てきます。いくつか具体的なケースを一緒に見ていきましょう。

🤔 ケース1:夜の接待や会食での事故

業務に関連する会食や接待の場での事故についてです。

  • 補償対象となる可能性が高いケース
    • 会社の業務命令や承認のもとで行われ、費用も会社が負担している。
    • 取引先との商談や情報交換など、明確な業務目的がある。
    • → このような場合は、業務活動の一環と見なされやすいです。
  • 補償対象外となる可能性が高いケース
    • 業務命令ではなく、従業員同士の私的な懇親会や、個人的な付き合いの場。
    • 費用負担が個人である、または業務との直接的な関連性が薄い。
    • → このような場合は、会社の管理下にある業務とは判断されにくいです。

🤔 ケース2:お昼休み中の事故

従業員がお昼休み中にケガをした場合の考え方です。

  • 補償対象となる可能性が高いケース
    • 会社の食堂や休憩室など、事業所施設内で休憩や食事をとっている間の事故。
    • 午後の業務に戻るための、社会通念上妥当な休憩と判断される場合。
    • → 会社の管理下にある状況と見なされやすいです。
  • 補償対象外となる可能性が高いケース
    • 会社の外に出て、銀行や買い物など私的な用事を済ませている間の事故。
    • 社内であっても、業務とは関係のない個人的なレクリエーションや運動(例:昼休みの個人的な筋トレ)中の事故。
    • → 業務から離れた私的行為と判断されやすいです。

🤔 ケース3:出張中の事故

出張に伴う移動中や滞在先での事故についての考え方です。

  • 補償対象となる可能性が高いケース
    • 会社の指示による正規の出張で、自宅等から目的地までの合理的な経路・方法での移動中
    • 出張先での業務遂行中
    • 業務に必要な範囲での宿泊施設への移動や滞在中(例えば、ホテル内の移動や食事など)。
    • → 出張命令に基づき、業務に関連する一連の行動と見なされやすいです。
  • 補償対象外となる可能性が高いケース
    • 出張の行程から大きく逸脱した私的な観光や、自由時間中の個人的なレジャー活動中の事故。
    • 業務とは無関係な私的な飲食や買い物のために、通常とは異なる場所へ移動している間の事故。
    • → 業務から逸脱した私的行為と判断されやすいです。

🤔 ケース4:在宅勤務(リモートワーク)中の事故

ご自宅など、オフィス以外で仕事をしている際の事故です。

  • 補償対象となる可能性が高いケース
    • 決められた就業時間内に、パソコン作業などの明確な業務を行っている間の事故。
    • 業務中に発生した、トイレや水分補給など、業務遂行に通常伴う生理的な行為に関連する事故(例:トイレに行こうとして転倒)。
    • → 業務遂行中の行為と見なされやすいです。
  • 補償対象外となる可能性が高いケース
    • 就業時間中であっても、明らかに業務から離れて行っている私的な行為(例:個人的な趣味、長時間の家事、子供の世話など)に関連する事故。
    • 私的な用事での外出中の事故。
    • → 業務が中断・逸脱している状態と判断されやすいです。

【ちょっと補足】国の労災保険と民間の傷害保険、「就業中」の考え方の違いって?

ここで、少し補足情報です。よく「民間の傷害保険の『就業中』の補償は、国の労災保険(政府労災)の基準と同じでしょう?」と誤解されることがあるのですが、実は少しだけ考え方に違いがある点を知っておくと役立ちます。

  • 国の労災保険が「仕事中のケガ」と広く認めるには、通常、2つの要素が必要とされます。
    1. 会社の管理下でお仕事中に起きたことか?(場所や時間の要素)
    2. そのお仕事が原因でケガをしたか?(原因の要素)
  • 一方、民間の傷害保険の「就業中のみ」を補償するタイプでは、主に1の「会社の管理下でお仕事中に起きたことか?」という点に重きを置いています。 そのため、2の「お仕事が直接の原因」とは断定しにくいようなケース(例えば、オフィス内で業務中に、特に仕事が原因とは言えない突発的な理由で転倒したような場合など)でも、お仕事の時間内・管理下での事故であれば、民間の傷害保険では対象となることがあるんです。

ポイントは、国の労災保険の対象にならないと判断された事故でも、民間の傷害保険(就業中のみ補償タイプ)なら補償される可能性もある、ということです。

この違いがあることも、「どこまでが補償されるんだろう?」と考える上で、少し頭の片隅に入れておくと良いかもしれませんね。


経営者様だからこそ、特に考えておきたいこと

ここまで見てきたように、「就業中」かどうかは、その時の具体的な状況によって判断が変わり、時にはっきりとした線引きが難しい場合も少なくありません。

特に、経営者の皆様ご自身や役員の皆様は、お仕事とプライベートとの境目が、他の従業員の方々よりも曖昧になりやすいのではないでしょうか? ご自宅を事務所と兼用されている方や、働く時間が日によって変動する方も、どこからどこまでが「就業中」なのか、判断に悩む場面があるかもしれません。

もし、「就業中だけ」を補償するタイプの保険にご加入の場合、万が一の事故の際に「これは残念ながら対象外です…」という判断になってしまう可能性もゼロではありません。これは、従業員の方にとっても、会社にとっても、そして何より経営者の皆様ご自身の安心にとっても、大きな心配の種になりかねませんよね。


「仕事中?それともプライベート?」…そんな風に、万が一の時に迷ったり心配したりしなくて済むように、

「お仕事中はもちろん、お休みの日も、ご自宅にいる時も外出先でも、24時間365日、もしもの事故によるケガを広くカバーする」

というタイプの傷害保険(または特約)があります。

これなら、例えば…

  • 朝、出勤前の準備で慌てている時に、うっかりケガをしてしまった!
  • 休日に、ご家族とレジャーを楽しんでいる最中に、転んでしまった!
  • 仕事とプライベートの区別がつきにくい出張先での、ちょっとした空き時間の事故!

など、「就業中」という枠にとらわれずに、日常生活での様々な「もしも」のアクシデントに広く備えることができるので、大きな安心感につながります。 (※ただし、病気や、地震・噴火・津波といった大きな自然災害によるケガについては、通常、別途特別な備えが必要になりますのでご注意ください)

特に、先ほどお話ししたように、経営者の皆様や役員の皆様、ご自宅でお仕事をされている方、出張が多い方など、オンとオフの線引きが難しい働き方をされている方には、この「24時間まるごと安心」タイプの補償を、ぜひ一度ご検討いただくことを、私たちはおすすめしています。


最後に:貴社にぴったりの「安心」を!

今回のポイントをまとめると…

  • ✅ 傷害保険の「就業中」は、基本的には「会社の管理下で、お仕事をしている時」。
  • ✅ でも、働き方が多様化し、判断が難しいグレーなケースも増えています(補償される場合・されない場合の区別が重要!)。
  • ✅ 特に経営者の皆様は、ご自身の働き方も含め、補償範囲に注意が必要です。
  • 国の労災とは少し違う、民間保険ならではの判断基準もあります。
  • ✅ 「就業中かどうか」で悩まないために、「24時間まるごと安心」タイプの補償も有効な選択肢です。

私たちあゆみサポートは、中小企業の保険のパートナーとして、皆様の会社の状況や働き方の実態、そして経営者の皆様のお考えや心配事を、まずはじっくりとお聞きすることを何よりも大切にしています。その上で、無理なく、無駄なく、本当に必要な「安心のカタチ」を、一緒に考え、ご提案していきたいと思っています。

「うちの会社のリスクって、具体的にどんなことがあるんだろう?」 「今の保険の内容で、本当に今の働き方に合っているのかな?」

そんな風に思われたら、どんな小さなことでも構いません。どうぞお気軽に、私たちあゆみサポートにお声がけください。貴社と、そこで働く大切な従業員の皆様、そして経営者の皆様ご自身が、これからも安心して未来へ向かって事業を進めていけるよう、全力でサポートいたします!


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